軽井沢のアンティークショップ ベルリネッタ軽井沢です。
最近の軽井沢は、心地よい初夏の気候とキラキラの木漏れ日が最高です。時折肌寒い日もありますが、森の中はマイナスイオンたっぷりの霧が立ち込めて風情があります。
今年も新たな観光スポット・グルメスポットが色々と登場しており、本格的なハイシーズンを前に、早くも少しずつ賑わいを増してきました。
夏の軽井沢にお越しの際はぜひ当店にもお立ち寄りくださいね。
さて、今回のブログは......【アンティーク入門Vol.25】全世界にファンを持つ、ウィリアム・モリスの魅力についてです。
ウィリアム・モリスとは
ウィリアム・モリスは、19世紀イギリスのテキスタイルデザイナーであり、詩人であり、ファンタジー作家、アーティスト、翻訳家、社会主義活動家...など多方面で活躍し、【モダンデザインの父】と呼ばれた人物です。
ウィリアム・モリスがロンドン郊外の裕福なブルジョワ家庭に生まれたのは1834年のこと。
その頃のイギリスといえば、機械技術の発展とともに産業革命が起こり、資本主義へと移行する中で、中世から培われてきたギルドによる手工業が失われていく最中でした。機械による大量生産の結果、消費者は必要な品物を安く手に入れることができるようになりましたが、その一方で、熟練の技や美しい手仕事の数々は衰退の一途を辿っていました。
しかしモリスは中世の手工業に理想を見出します。
彼は芸術と生活を融合させようと、モリス・マーシャル・フォークナー商会を設立。壁紙、ステンドグラス、家具などの、ライフスタイルを彩る商品のデザインから製作までを一貫して請け負うことでクラフトマンシップを復活させたのです。
アーツ・アンド・クラフツ運動
モリスは1859年に結婚しています。彼が新婚生活を送るために建てた「レッドハウス」は、設計から家具、壁紙、カーペット、タペストリーに至るまで、すべてモリスとその友人たちの手によって製作され【世界で最も美しい家】と呼ばれました。
1880年代になると、モリス商会の掲げる理想に共鳴する工房やアトリエが多く誕生します。そして、モリスを中心とする彼らの活動はアーツ・アンド・クラフツ運動と呼ばれるようになりました。
世界中にファンを持つ、モリスのパターン
モリスが現代デザインに残した功績は数えきれませんが、中でも世界中にファンを獲得しているのが、自然の樹木や草花などをモチーフにした壁紙デザインです。一世紀以上を経た今日でも少しも新鮮さを失わず、世界中で根強いファンに愛され続けています。
ちなみに、当店がプロデュースしている【ホテルベルリネッタ】の客室は、すべて異なるパターンのモリスの壁紙が用いられています。ベッドリネン、テーブルランプに至るまでモリスのテキスタイルが使用されており、モリスファンにはたまらない空間となっています!
また、ベルリネッタ軽井沢では、オリジナルの【モリスベア】を販売しています。“いちご泥棒”のテキスタイルを用いて、品よく愛らしいベアに仕立てました。
“いちご泥棒”は、モリスが夏に過ごした別荘の庭で、つぐみがイチゴを啄む様子を描いたデザインです。合わせ鏡のような左右対称の構図が特徴的で、最も有名と言っていいデザインだと思います。
人気商品でいつも品薄なのですが、たまたまレッド・ブラウン・ブルーの3色が揃ったので写真に収めました。
ーー「美しいと思わないものを家に置いてはならない」
そんな名言を残したというモリス。大量生産品で溢れかえる現代に聞くと、より一層考えさせられる言葉です。
月日を経ても色褪せず、ファンを虜にし続けるモリスの魅力。
そのファン心理の根底には、手仕事で作り出される芸術的な日用品こそ生活のクオリティを向上させてくれるのだという、アーツ・アンド・クラフツ運動の精神に対する共鳴と共感もあるように思われます。
モリス商会はモリスの死後、彼の忠実なアシスタントであったジョン・ヘンリー・ダンヒルが後を継ぎ、1917年にはロンドンの高級ショッピング街ハノーヴァー・スクエアにショールームを設立しています。
第二次世界大戦中に会社は一度閉鎖されましたが、サンダーソン&サンズ社とリヴァティー・ロンドン社が版権を買い取ったため、モリス商会というブランド名もそのままに現在も販売が継続されています。
壁紙や家具だけでなく、文具など身近で手に入れやすい商品も扱うモリス商会。【生活に芸術を】と唱えたウィリアム・モリスのこだわりやレガシーがしっかりと受け継がれています。
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