軽井沢・塩沢にあるアンティークショップ ベルリネッタ軽井沢です。
店舗は12月1日より冬季休業となっておりますが、オンラインショップでは引き続きお買い物を楽しんでいただけます。
アシュレイ&バーウッドのトライアルセットはクリスマスギフトにも最適。ぜひチェックしてくださいね。
※系列店のCAFE Bは年内12月28日まで通常営業、ホテルベルリネッタは冬季期間もご予約受付しております。
当ブログでは【アンティーク入門】と題し、アンティークの豆知識を発信しています。
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これまでは主にテーブルウェアについて深ぼってきましたが、続いては“家具”に注目してみたいと思います!
フランス家具の歴史
I-初期〜ルネッサンス〜ルイ13世様式
10世紀〜15世紀、ロマネスク〜ゴシック時代に作られていた家具は「初期スタイル」と称され、意外にも装飾要素の少ないシンプルなデザインが特徴です。政情も不安定であったことから、容易に動かせる軽量の椅子や折りたたみ式の椅子、多彩な利用法ができる箪笥(貴重品箱)などが多く作られていたようです。
ちなみに、この時代の椅子の背もたれにハイバックが多いのは、隙間風を防ぐ&背後から襲われるのを防止するためだとか。そんなんで防げる......?と突っ込みたくなってしまいますが(笑)、少しでもという工夫なんでしょうね。
16世紀に入ると、国王フランソワ一1世のもと、イタリアルネッサンスに大きく影響を受け非常に手のこんだ装飾が特徴の「ルネッサンス様式」が登場します。横顔付きメダリオンや唐草模様などもこの時代に多く使われた装飾です。その後、アンリ2世の時代になると(2ndルネッサンス)少しばかり落ち着いたデザインに変わり、模様なしメダリオンが使われるようになっています。
17世紀、ルイ13世の時代になると宗教戦争の影響を受けプロテスタント教の厳格さが家具の様式にも現れます。ルネッサンス様式とは打って変わって、全体としては木目を生かし素朴な雰囲気を漂わせているのですが、足の部分にはろくろ細工などの装飾が施され、荘厳なイメージも残しています。
I-豪華絢爛!ルイ14世「バロック様式」
1675年〜1725年頃、ルイ14世の下で「バロック様式」が全盛となります。
バロック様式の代表格は、かの有名なヴェルサイユ宮殿。贅の限りを尽くした豪華絢爛なデザインに「太陽王」らしく金箔もふんだんに施され、光輝く煌びやかな装飾が特徴的です。
これには、ルイ14世の掲げた「絶対王政」が大きく関連しています。ルイ14世が若くして実権を握った頃はまだ貴族の力が強く、フランスという大国の王として君臨するため自身の威厳を高める必要がありました。その象徴がヴェルサイユ宮殿なんですね。
また、自国の産業を支援し海外への輸出を後押しする「重商主義」政策にも力を注ぎました。
「富とは金であり、国力の増大とはそれらの蓄積である」ーーこれはルイ14世時代の大臣・コルベールの言葉ですが、彼の指揮のもと、外貨を稼ぐべく大規模な芸術政策が打ち出されました。
王立家具製作所の設立もその一つで、画家・ルブランを総監督に任命し、タピストリー、家具、金銀・宝石細工など王家で使用される調度品のすべてがここで製造されていたそうです。
同じフランスの家具でありながら、時代背景が意匠に反映されていると思うと興味深いですよね。
ベルリネッタ軽井沢でも、フランスのアンティーク家具を多数お取り扱いしています。
それぞれが作られた時代の背景に思いを馳せつつデザインを眺めてみると、お買い物がさらに楽しくなるのではないでしょうか。
当店は現在冬季休業中ですが、来年春のオープンに向けて着々と準備を進めております。
新着家具の入荷情報など、こちらでも随時お知らせしていきますね。
▼休業期間中もアシュレイ&バーウッドのフレグランスランプオイルやセットを販売中です。