まもなく7月。軽井沢は新緑が真っ盛り、毎日気持ちのいい気候が続いています。
ベルリネッタ軽井沢はショップ・カフェ・ホテルともに、万全の感染症対策をとった上で通常営業しております。軽井沢にお越しの際はぜひお立ち寄りくださいませ。
さて、ショップには今年も家具・雑貨ともに数多くの新商品が入荷しました!
リモートワークの方が増え、デスクやチェア、シェルフなどの家具やインテリア雑貨をお買い求めになる方が増えたように感じます。
当ブログでは、アンティーク家具・雑貨のお買い物をより楽しんでいただけるよう【アンティーク入門】と題した連載をスタートすることにしました。
アンティークをご購入される際、最初に興味を持たれる方が多いのは、やはり食器。
初回は、お客さまからもよくご質問をいただく「陶器と磁器の違い」について詳しくご案内したいと思います。
アンティーク食器に多く見られる白磁器やボーンチャイナについても紐解いていきますので、ぜひお気に入りを見つける際の参考にしてみてくださいね。
「陶磁器」と呼ばれるものには、大きくわけて陶器・磁器・土器・炻器(せっき)の4種類があります。
まずはこの4つの違いを詳しくみていきましょう↓↓↓
■陶器
自然原料の粘土を多く使い、焼成されたもの。
表面にツヤツヤした層の部分があり光沢を感じるのは「釉薬」がかけられているためです。
900~1200℃という、比較的低温で焼成されるため、生地が焼き締まっておらずたたくと鈍い音がします。
保温性に優れ、土鍋などに適しています。透光性はなく、吸水性が高いため長時間水に浸すと水が内部に浸透していきます。
吸水性の大小により軟質陶器と硬質陶器に分類され、和食器には軟質陶器(重量の10%~25%水を吸収する)が多いです。
■磁器
陶器と違い、磁器は石を砕いて土にし、成型して焼き上げています。
磁器にも釉薬がかけられており、表面に光沢感があります。
陶器よりも高温で焼成されるために焼き締まっており、吸水性はなく透光性があります。薄手の商品が多く、たたくと金属的な音がするのが特徴。
I--白磁とボーンチャイナの違いは?
磁器の中でも、アンティーク食器には「白磁器」と「ボーンチャイナ」が数多く見受けられます。
この2つの大きな違いは焼き方にあるんです。
白磁器
長石・珪石(けいせき)・陶石・カオリン・粘土と水を混ぜ、成型後に低温で素焼きを行い、釉薬をかけ、最後に高温(1300℃ ~1400℃)の還元炎焼成で焼き締めています。
アンダーグレーズ、イングレーズのブルーが映えるのはこちらの白磁器。
吸水性はなく、やや透光性があり、白色度は高いです。叩くと金属的な音がします。
最も重要な原料はカオリンで、磁土あるいは白陶土ともいわれ、粘土の結晶体からなる良質な土を言います。
中国の製陶地である景徳鎮の近くの高嶺山(カオリン)で産出されることでこの名がつきました。
ジノリ、リモージュ、マイセン、KPM、ローゼンタール、大倉陶園等の高級食器には白磁器が使われています。
ボーンチャイナ
18世紀中頃、良質なカオリンが入手できず、磁器を作ることができなかったイギリスでは、カオリンのかわりに牛の骨灰(こっぱい)「ボーンアッシュ」を原料に加えることでボーンチャイナが生れました。
成型後、高温の酸化炎焼成で焼き締めることで形が決まります。
その後吹き付けで釉薬をかけ、最初よりも低温で焼きます。上絵付けの柔らかな艶、発色の良さが特徴。
象牙色をした柔らかな質感で透光性が高く、現在では高級食器の素材として食器メーカー各社が製造しています。
イギリスで代表されるメーカー(ウエッジウッド、ロイヤルドルトン、スポード、ロイヤルクラウンダービー等)のほとんどがボーンチャイナです。
■土器
中世の焼き物のほとんどは土器。一般的に釉薬はかけられず、表面がざらっとした質感です。
吸水率が高く、衝撃にもろいです。かわらけ、レンガ、植木鉢など。
■炻器(せっき)
洋食器ではストーンウェアといわれています。吸水性がなく、たたくと陶器よりも澄んだ音がします。
ナイフ、フォークを使うことを考えほとんどのストーンウェアに釉薬がかけられていますが、ウエッジウッド窯のジャスパーなどは釉薬がかけられていません。
ジャスパーは、カメオなどの古代ギリシャ、古代ローマ美術の形状や装飾をモチーフとし、ジョサイヤ・ウエッジウッドが4年の研究を経て1774年に完成させたシリーズ。
この技法を用いて1790年にウェッジウッドが再現した「ポーランドの壷」は新古典主義の結晶とも言われています。
ベルリネッタ軽井沢では、100坪を超える店内に常時400種類以上のアンティーク食器をご用意しています。
ノリタケ・マイセン・KPM ・ウエッジウッド・セーブルなど様々にお取り扱いしていますので、ぜひお気に入りの器を探しにいらしてください。
皆さまのお越しをお待ちしております。